整骨院の開業で注意すべき点は?整骨院開業を失敗させないポイント3選

整骨院の開業を目標として頑張っている方も多くいるでしょう。しかし、折角頑張って開業した整骨院を、「失敗して倒産してしまった!」などということは絶対に避けたいですよね。そのためには実際に開業する前から入念な準備を進め、どのようなことをしていくべきなのかを学んでおく必要があります。この記事では整骨院の開業を失敗させないために注意すべきポイントを3つの視点から紹介します。

整骨院開業で失敗する原因とは?

現状として整骨院は倒産の件数が増加傾向にあり、せっかく開業をしても潰れてしまうという事例が多くなってきています。では、なぜ開業しても失敗をするケースが多くなっているのでしょうか。ここでは、整骨院事業が失敗してしまう原因について解説します。

その1:競争相手が多い

整骨院の数は年々上昇してきており、競争が激化してきています。
競争相手は整骨院に限らず、整体院や整形外科なども考えられます。
そのため、競争相手の数がとても多く、自分の整骨院に人が集まらずに失敗をしてしまうというケースが多く見受けられます。

その2:適切な集客ができていない

仮に整骨院を開業したとしても、ただ待っているだけではお客様が来てくれることはあまり望めません。
また、HPやチラシを一応作ったが、それをうまく活用ができていないというケースも多くあります。
技術力が他の競争相手よりもずば抜けているのであれば話は別ですが、競争相手が多い現状では集客を適切に行うということがとても重要になってきます。

その3:施術の技量不足

集客もしっかりと行っており、多くのお客様が来られたとしても、施術の技量が不足していては、リピートを望むことができません。
技量は直接お客様の満足度につながる部分でもあるので、そこが不足していてはどんなに他の部分を努力したとしても顧客の確保にはなりません。

その4:経営としての現状分析が足りていない

経営力に問題がある場合も失敗につながります。
現状の店舗の問題点やどこを改善していけばいいのかという分析を怠ってしまうと、経営面として悪い部分が放置され、結果としてその問題が原因で潰れてしまう可能性もあります。
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のPDCAサイクルをうまく回していくことが重要になってきます。

整骨院開業を成功させるポイントその1:開業する前に

ここまでは、開業をしても失敗をしてしまう原因について解説してきました。では、成功するにはどのようなポイントがあるのでしょうか。ここからは、そのポイントを大きく分けて3つ紹介していきます。

まず、1つ目のポイントとしては、「開業する前にしっかりと準備をする」という事です。開業前に行うべきことをステップ別に解説していきます。

ステップ1:事業計画を立てる

目標とする開業日を決め、その開業日から逆算的にスケジュールを立てるなど、事業の軸となる事業計画を立てましょう。
資金計画などは時間がかかることが多いので、なるべく早くから始めるようにしましょう。

ステップ2:立地やコンセプトを決める

立地やコンセプトは、競争相手が多い現状ではとても重要になってくる要因の1つです。
ターゲットを決めてから、その人に合わせた立地を考えることが重要です。
また、コンセプトは他の整骨院と差別化を図る上ではとても重要になってくるので、時間をかけてゆっくりと考えるようにしましょう。

ステップ3:内装の準備

内装はお客様の視覚的印象に大きく訴求をする大切な部分です。
例えば、待合室や施術室などが手狭でゆとりがない内装であると、お客様にストレスを与えてしまう可能性もあります。
また、先ほど決めたコンセプトのそぐわないような内装にしてしまうと、お客様が「思っていたイメージと違う」と感じてしまう恐れもあるので、お客様の視点に立って内装を準備をしましょう。

ステップ4:手続き

施術所の開設届などの必要書類の提出をしっかりと行うようにしましょう。
それらの書類の提出を忘れてしまうと、「せっかく開業をしたのに法律的にだめになってしまった」といったケースが発生してしまうので、必要となる書類をしっかりと調べ、提出をするようにしましょう。

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整骨院開業を成功させるポイントその2:経営について

整骨院事業を成功させるポイントの2つ目は、「経営についてしっかりと考える」という事です。どのように整骨院を運営していくかは最もわかりやすく存亡に関わる部分です。前に解説した事業計画に重なる部分もありますが、経営面でどうすれば成功するのかを解説していきます。

その1:競合との差別化を図る

施術において全ての水準を高く保つということを目標にすると、どうしても無理が出てきてしまいます。
そこで、自社の強みを活かすことができるような施術の技術力を上げたり、知識を増やしたりすることが競合との差別化に繋がります。
「色々な整骨院に行っても治らなかったけど、ここの整骨院に行ったら治った」という口コミを増やすために、自社がどのようなことに力を入れていくべきであるのかを考えましょう。
また、知識のレベルを底上げすることによって、他院よりも自分たちの方が力になれるとお客様に暗に伝えることができるので、知識もしっかりとつけるようにしましょう。

その2:リピート率を考えたサービス内容やアフターサービスを行う

安定した経営にしていくためには、やはり「リピート率」を上げていくということがとても重要になってきます。
来院されたお客様には、必ず感謝のメールやDMなどの形でアフターフォローを行い、今後の定期的に来院してもらえるようなアフターサービスを充実するようにしましょう。
例えば公式のLINEアカウントを作り、お客様に来院の際に登録をしてもらうように促すことで、来院後のアフターフォローはとてもスムーズに行うことができます。
次回来院の際も使用できる割引などを公式のLINEで配布するなどしたら、よりリピートが望めるでしょう。

その3:コンセプトや施術内容とマッチした集客を行う

例えば、コンセプトや施術内容が「痛みをとる」ことに対し、集客をする際に「癒しを与えます」などといった謳い文句にしてしまうと、集客の際に言っていたことと、施術内容との齟齬があり、お客様の不満に繋がってしまいます。
集客を行う際のHPやチラシなどでは、コンセプトや施術内容とマッチしたイメージを与えることのできるようなものにするということを心がけて作成する必要があります。

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整骨院開業を成功させるポイントその3:行政上の手続き、基準について

整骨院事業を成功させるポイントの3つ目は、「行政上の手続きや基準についてしっかりと理解をする」という事です。馴染みがなく難しいと感じるところに行政上の手続きや基準があるため、直接整骨院の経営と関わることではありませんが、きちんと注意をする必要があります。

【施術所の開設届】

整骨院を開業するためには、管轄の保健所へ施術所の開設届を提出する必要があります。
また、整骨院は許認可制ではなく「届け出制」であるため、開業をしてからでないと開設届を提出することができません。
開業をしてから10日以内に提出をしなければいけないので、早めに提出するようにしましょう。
また、開設届を保健所に提出した後、その他の届け出のために、開設届の写しが必要になるので、開設届は2部作成し、受領印を押してもらった控えをもらうようにしましょう。

【健康保険を取り扱うための届出】

施術所の開設届を提出しただけでは、健康保険を取り扱うことはできません。
健康保険を取り扱うためには、受領委任契約を結ぶ必要があります。
手順は大きく分けて4つあります。

・地方厚生局への届け出
整骨院で施術をし、社保・国保などの保険者に保険請求を行うためには、契約記号番号が必要です。
これを取得するために、地方厚生局へ届け出をします。
必要書類は地域によって異なるので、詳しくは自社の管轄の厚生局に問い合わせてみましょう。

・共済組合連盟への届け出
共済組合連盟に届け出を行い、「共済連盟承諾番号」を取得することで受領委任の取り扱いが可能になります。必要書類を連盟に連絡してもらいましょう。
また、柔道整復師免許証の正本のコピーが必要になるので、用意をしておきましょう。

・防衛省への届け出
自衛官関係の保険者に請求をするには、防衛省に申請を行う必要があります。申請をし、「防衛省番号」を取得することで自衛官関係の保険者に請求をすることができるようになります。

・労働基準局への届け出
施術所が労災の指定機関としてみなされるためには、所轄する労働基準局への申請が必要になります。

【個人事業主としての届出】

税務署へ個人事業主として事業を開業したと申告する、「開業届」の提出が必要になります。
個人での申告も可能ですが、会計士さんや税理士さんのサポートを受けった方がスムーズに行うことができます。

【内装で気を付けなければいけない構造設備基準】

構造設備基準には大きく分けて「省令」と「指導事項(基準)」の2つがあります。
整骨院を開業する上で、「省令」と「指導事項(基準)」の2つの構造設備基準を守ることが義務付けられているので、しっかりと確認をした上で厳守するようにしましょう。

まとめ

今回は整骨院を開業する上で失敗してしまう原因と、成功するためのポイントについて解説しました。
ここまで見てきたらわかるように、整骨院の開業は難しく、考えることも多いですが、とてもやりがいのある仕事です。
柔整開業.comでは整骨院の開業のサポートを行なっているので、整骨院を開業したいけれど、複雑でよくわからないという方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご相談ください!相談はこちらからできます!

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