開業を成功させるために大切なこととは?

「技術を生かして自分の力で店を持ちたい」と考えても、いざ柔道整復師として独立・開業するときにはいろいろな不安が生まれます。どれほどの準備を整えても、すべての障害を取り除くことはできませんが、それでもポイントを押さえることである程度のリスクを避けられる可能性は高くなります。

柔道整復師の開業を成功させるために、大切なこととは何かを考えていきましょう。

 

 

自身の経営理念とお客様の満足

どのような職業であれ、明確な経営理念のない事業運営は継続できません。どんな小さな店舗であってもそこに経営者のしっかりとした経営理念が貫かれていなければ、方向性を見失ってしまい、いったい自分は何がしたいのかがわからなくなっていきます。経営理念はその店の姿勢を示すものであり、経営の背骨にあたるものです。

「どのような店にしたいのか」「何を提供したいのか」について経営者本人があやふやでは、お客様は安心して身を任せられません。自分の店の使命、開業する意味をしっかりととらえることで、店の外観からお客様への対応まで、一貫性をもった店づくりができるようになります。柔道整復師の開業では、技術力はもちろんですが、どれだけ整骨院のファンを作れるかが成功のカギとなります。

なぜなら、お客様が店に足を運ぶということは、痛みや不調を少しでも癒したいからです。整骨院では、そうしたニーズに応えられる施術メニューを提供しなければなりません。お客様の満足度を上げるためには、どのような施術が求められているのか、日々のリサーチと技術の鍛錬が欠かせません。

 

 

集客とリピーター獲得

整骨院に限らず店の安定した経営は、「お客様をいかに集めるか」「来店客をリピーター化できるかどうか」にかかっています。集客がうまくいっても来店客が根付いてくれなければ、いつまでも集客に費用をかけ続けなければなりません。その一方でそもそも新規客が来てくれなければ、リピーターは生まれません。

先にもありましたが、リピーターとは店のファンのことです。自分がその店を気に入れば、再来店すると同時に、ほかの人にも教えたくなります。リピーターづくりは、集客の自動化へとつながる重要な経営戦略です。開店時には知名度を上げるために、ある程度の広告費用が必要となります。しかし、費用対効果をにらみ、広告頻度を最小限に抑えなければ、たちまち赤字が膨らんでいくでしょう。

チラシや立て看板、電話帳への掲載といった昔ながらの手法に加え、専門サイトや地元情報サイトへの登録、自社ホームページの作成と予約システムの導入など、お客様とのコンタクトの幅をできるだけ広げられる方法を考えていきます。ベーシックな集客手法を実施したら、SNSによる拡散やブログによる発信などにより、積極的にアプローチをしかけていきましょう。

近隣の店舗に協力をお願いし、名刺やパンフレットを置いてもらうのも新規客来店のきっかけづくりとなる一案です。リピーターの確保には、次回来店時に利用できる割引券の配布やQRコードを使った会員登録、ポイントカードの発行などが有効です。会員登録でメールアドレスの収集やSNSへの誘導ができれば、季節の健康情報の発信など、顧客との関係強化が可能となります。

 

 

開業する場所での地域貢献も大切

整骨院をどこで開業するかは、経営の継続に関わる重要な要素です。立地を考えるうえで、需要や競合者についてのマーケティングは大切ですが、条件さえあえば生まれ育った地元やなじみのある街での開業も悪くはありません。整骨院の開業は、地域で暮らす幅広い年代層への健康生活に貢献できます。

昔お世話になった方々に施術することで、自分の成長を感じながらプロとして周囲の健康を支えられることは大きなメリットです。また、現在住んでいる家や実家の一部を店舗にできれば、開業資金の大幅な軽減にもつながります。経済的な面でも、地域密着という面でも、得られるメリットがあるでしょう。心機一転、新しい場所で開業をする際には、周囲の環境を良く観察し、新規に参入するものとしてその地域のあり方を尊重しなければなりません。

業種が違う相手や、またライバル的な存在であっても、コミュニケーションを大切にし、その場所になじんでいけるよう努力をしていきましょう。賢い経営者は、人脈というネットワークを何よりも重視します。周囲に認められ、お互いに助け合う関係が構築されてこそ、経営は長続きします。地域への貢献感もなく、孤立しているような店では、苦労してつかんだ顧客も寄り付かなくなっていくでしょう。

 

 

まとめ

柔道整復師の開業は自分ひとりで、1室からでもスタートが可能です。そのため、比較的気軽に開業してしまう人も多く、失敗の話もよく耳にします。高齢化社会が進み、さまざまなマッサージなどの店があふれる中で、整骨院の経営をうまく続けていくためには、事前の情報収集と十分な準備が必要です。

どんな商売も簡単にいくものはないことを理解し、社会に貢献できる柔道整復師の店を作り上げていきましょう。

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